2015年01月08日

地価動向調査の見方-不動産価格はリーマン前を超えたか?

国土交通省が11/28に発表した2014年Q3期(7/1-10/1)の地価動向調査によると、地価が上昇している地点がさらに増えて全体の83%となり、下落地点はゼロとなった。この地価動向調査は日本の不動産価格指標の中では直近の市況感を反映するデータとして貴重であるが、発表までに2ヶ月程度のタイムラグがあること、調査対象が「土地価格」のみで土地建物一体の不動産価格を対象としないという限界がある。統計データは過去の分析しかできないので、これからは随時、当社から見た実際の不動産市況の肌感覚をアップデートし、潮目の変化を何で探ったらよいのかを考える。

地価動向調査が発表されるようになったのは2008年で、最初の調査対象期間は2007年Q4期。この時は87%以上の地点で地価上昇していた。その後、2008年Q1は上昇地点41%下落地点9%、2008年Q2で上昇地点13%下落地点38%、2008年9月のリーマンブラザーズ破綻があった2008年Q3では上昇地点0%下落地点85%となった。

前回の不動産価格上昇期のどこがピークオフのタイミングだったのだろうか?地価動向調査の結果を見ると、2007年Q4期か2008年Q1期がピークであった可能性が高い。ただし、それが理解できるのは2008年Q1あるいは2008年Q2期の結果が発表される2008年6月か2008年9月であり、このタイミングで不動産投資の舵を切るのでは遅い。(東京都港区の地価公示価格を見ても、2008年1月がピークとなっているのが分かる。)

現在、個人的な感覚としては、都心部の不動産の価格は、リーマンショック前のピーク時に近い水準まで回復しているように感じる。ただし、この感覚は利回りが前回ピーク時よりもさらに下がっていることから感じるものである。不動産の金額ベースで言えば都心部の高級分譲マンションや商業施設では良い場所でほぼ同水準まで回復する一方、賃料の伸び悩みにより賃貸マンションやオフィスビルでは当時の7~8割くらいにしか回復していない。ちなみに、東京都の代表的な地価公示地点の価格を見ると、前回ピーク時の6~8割くらいまでにしか回復していないが、これは賃料の伸び悩みに加えて建築費が高騰により、土地価格の伸びが抑えられているからである。

リーマンショック前の出来事

  • 2005年11月耐震偽造問題発覚
  • 2006年3月日銀の量的金融緩和政策の解除
  • 2007年6月建築基準法改正(確認申請から工事着工までの期間が長期化)
  • 2007年7月日経平均18261円(ITバブル後最高値)
  • 2007年8月米国サブプライムローン問題顕在化
  • 2007年9月金融商品取引法施行
  • 2007年10月~2008年3月不動産市況のピーク
  • 2008年3月レイコフ破綻を皮切りに、新興不動産会社の破綻が始まる。(2009~2010年まで続く)
  • 2008年9月リーマンブラザーズ破綻
  • 2008年10月日経平均7162円(バブル崩壊後最安値更新)

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